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茅スタジオでは、昨年につづき「幻展」シリーズの2回目となる、写真家・中村紋子の新作展示を開催いたします。
かつて中村は、自身のもつ感覚ー幻感ーに大きく戸惑いながらも、作品をつくりつづけていました。2011年から18年にかけて発表された三部作の写真展「Silence」「Birth」「Daylight」を通じて、幻感からは逃れることもコントロールすることもできないという境地に至ります。
より引いた視点から、2023年の展示「ノート」(Roll)では、自身の創作活動を「記録であり、日記のようなもの」と位置づけます。作品にテーマ性や文脈があるのではなく、ただ目の前にある有り様を撮っているだけ。同時に、その日記的な制作姿勢は、日本文化のひとつである「日記文学」とも通じていることに気づきます。
そして翌2024年より、幻感と正面から向き合うため、幻感そのものに焦点を当てた展示「幻展」(茅スタジオ)シリーズをスタートします。
幻はわたしだけのものなのか?
内省から始まったこの旅は、「私」を越えた他者へとつながっていきます。
写真や映像など、多層的な表現を織りまぜ構成される本展は、幼少期よりつづく中村の世界の見え方をたちあげる実験的な展示であり、次作品<無明>へとつながる現地点です。
幻のような、5日間限定の夜をどうぞお楽しみください。